インドの旅2 ~ デリー-寝台列車 ~

ニューデリーにて

映画の世界に来たような街中を車がスレスレで走ってく。ぶつかりそうになってはガクッ、ぶつかりそうになってはガクッ、とブレーキが効く。飛行機に10時間乗っても平気だったのに、この30分で酔いそうになる。”Haldiram’s”とゆうファミレスのような店に案内してくれた。ガイドさんオススメの”Special Thali”を食す。カレーやスープなど作り置きのものは、31のアイスクリームみたいにショーケースから店員が注ぎ入れるシステムだ。米は細長く(蛆虫みたいに見える)、白いスープは意外にも冷たく、デザートは甘いオカラみたいな味がする。緑と黄色の2つはいわゆるカレーの味。もちろん日本のカレーではなく素直な辛さでスパイスカレー好きには美味いと感じる。しかし出汁がないためか味に深みはない。食事を始めるとガイドは、外貨両替を依頼した全財産5万円を持ってどこかへ行ってしまった。着いた途端極度の不安に襲われる。

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ガイドがパシャリ。チップを渡すべきだったのかも…。
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右から2人目が甲本ヒロトに似てる。
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ガイドのナレンダールさん。
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上左:カレー 上中央:カレー 上右:甘いオカラ
中央左:米 中央右:厚めの巻いた味なしチップス
下左:カレー 下中央:冷製スープ 下右:味なし梨

両替は皆さんの期待を裏切り、適切に行われた。食後タバコを吸おうと、外へ出た。タクシーで待ってくれていたらしく「タバコはどこで吸えますか?」と聞くと「どこでも吸えるよ。でもプレジデントハウスとかの周りはダメで、ちゃんと”NO SMOKING”って書いてるよ。」と教えてくれた。タバコを吸いながらガイドと近くをフラフラ歩いた。聞いていた話とは異なるが、インド人はタバコもお酒も大好きらしい。このエリア(元イギリス領)は、日本でゆう銀座らしい。深夜1時頃まで賑わい、車は朝まですごい交通量。野良犬はそこら中に。クラクションは半端なく。ポイ捨ては当たり前。そう、ここは銀座。

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お金はすべてガンジー。偉大さが感じられる。
 

デリー駅まで送ってもらい運転手に100ルピー、ガイドさんには(それしか手元になかったので)50ルピーをチップとして渡した。人生初チップ。金持ちになった気分になる。車中の打ち合わせで、12日のデリー空港からホテルまでの移動に地下鉄を使うことになり、その時にガイドしてもらうことが決まった。暇なので仕事が欲しいのだそう。ガイド料1000ルピー(まだ感覚がわからず思わず高額?でOKしてしまった…)。しかし、両替したルピーを受け取った際、10,000円は6,000ルピーってゆうてたけど、調べると6,535(1.53円/ルピー)。ん?端数は失くなる仕組み??と気づきながら、これも異文化と諦める。

乗車前に「水を買っておいた方がいい」とガイドのナレンダールさん。キオスク的な店で15ルピーの水を購入してくれた。500ルピーを託す。インド人同士なのに、お釣りが合わない。400ルピーしか返ってない?何か(たぶんお釣りが足らん)を店員に伝えると、渋々80ルピーが返ってきた。まだ足らないと伝えると、お菓子を叩き渡された。5ルピーの商品らしい。なんだそれは。小銭が嫌いなのか5ルピーのお釣りを渡さない。インド人恐ろし。合掌、乗車。

寝台列車A1号のベッド33番に着いた。ベッドまで案内してくれたところでガイドさんとはしばしのお別れ。ここからは本当に独り。同情は捨て、強気で行こう。然もなくば、30,000ルピーなんてすぐなくなってしまいそう。6:15になっちゃん家を出て、今23:24(デリー時間)。ほぼ20時間の移動と、聞き慣れない言葉(むしろ音)、騒然とした音に疲れ、目を瞑ることにする。これからこの列車で12時間。もはや長いのか短いのかわからない。

眠れない。この寝台列車は、ひと区画に2段ベッドが2つ設置されている。2段ベッドの上にはインド人。向かいの2段ベッドにはインド人夫婦。疲れてはいたものの、しばらく車窓からの眺めを楽しむ。レンガで出来たおんぼろアパート、線路上を歩いてる人、ヤギ、牛などが時折現れる。ものすごく長い貨物車ともすれ違う。ほとんどの光景は、所々に木のある野原。もう飽きた。何とか寝よう。

 
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インドの車窓から。

1,2時間おきに目が覚める。気がつくと横に綺麗な日本人がいて窓から見える夜空に感動していた。
ち「本当は流れ星ってこんなにたくさんあるんだね。」
女「綺麗。写真撮っても大丈夫だよね?」
ち「もちろん。」
…目が覚めた。空を見る。砂埃なのかうっすら見える夜の空は濁っている。星は見えない。隣のベッドのご主人はいびきがうるさい。上のベッドは親切なヒンディ語しか喋れないおじさん。「…嗚呼、夢か。」ただ今5:14。あと6時間で、バラナシ。ヴァーラーナーシー。

5:50。第一の難関を乗り越えた。トイレだ。荷物をすぐそこのトイレにわざわざ持っていくのも違う。かとて置きっぱなしは不安。そこで考えたのが肩紐を一回バックルから外しベッドのパイプに通し直す作戦。今のところインド人はめんどくさがりなところが見受けられるので、チャックには鍵、リュックは簡単に外れない。貴重品を入れた小さな鞄は持ち歩く。これで大丈夫だろう。トイレへと向かう。どうやら日本同じく若い人にWestern-Style(洋式)は人気のようで、和式?が空いてるにもかかわらず、並んで待っていた。

口が裂けても綺麗とは言い難いがこんな寝台列車の割に想像を下回った。良い意味で。小だけで済まそうと思ったが、このまま大もしてやれと、ズボンを下ろした。けつの穴が少し熱い。そんなに辛いものを食べてないのに。スパイスエイナスだ(造語)。噂通り左手で処理した時用の水道はあったが、これには大きな抵抗があるため、持参したティッシュで拭う。水圧、水量は日本の男子小便用のトイレ以下。紙は詰まるらしい。良いのかどうか拭った紙は、横のゴミ箱に入れた。流れなかったウ◯コは、掃除道具みたい物の棒でこついて流した。次の人が待ってるようだったので、手を洗いトイレを後にする。カバン作戦もトイレも”大”成功だ。

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右側、箒の横の青色長い棒でウ○コを押し込む。ケツは写真向かって上に向けて使用する。

水の購入時に無理矢理買わされたお菓子”Bikano Bikaneri Bhujia”はほどよく辛い。カラムーチョよりスパイス効いてるが、塩気は少なめ。

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5ルピーのお菓子。予想に反して美味い。

車中では電話はもちろん、動画を耳障りな音量で多くの人が観ている。なぜ画面を観ていないのにわかってしまうのか、大抵はインド動画。あの言葉で表現しがたいインド音が漏れまくる。ちなみに窓はしっかりペアガラス。持っているケータイは皆スマホ。向かいのご主人が途中、クッキーを分けてくれた。何が違うのか日本のとは味が異なる。でも美味しい。モラルと設備と装備と親切。何と何とがかはわからないが、アンマッチな感覚を覚える。

次回はバラナシ到着後のお話。いきなり達人が凡人として現る。

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