紆余曲折。

※この実話を読むには5分ほどかかります。つまり長いです。お時間のある時にゆっくりお読みください。

先日「地域おこし協力隊初任者研修」に参加した。場所は東京都新宿区。
研修内容は「そもそも地域おこし協力隊ってなに?」から始まり、すでに任期を満了された方からの講話、どうすれば地域が活性化するかを考えるワークショップなど、総務省の方も来られており、十分なものだったと思う。しかし、問題は道中で起こる。

東京へは幾度となく前職でも私的にも訪れており、電車の路線がどう繋がっているかまで把握はしていないものの、スマホ片手にどこでも移動していたし、出張時の宿泊はこれでもかと思うほど安い(最安2000円程度)の宿に泊まったりと、慣れたものだった。

が、しかし。

驚くほどのハプニングに見舞われたので、自分の人生の記録のためにも書き留めておきたいと思う。
キーワードは、

  • 欠航
  • 割増
  • ロス
  • 逆転

の4つ。しかし、今回お伝えするのは、後半3つに絞る。欠航はどこでもあることだ。

 

"割増"

早く予約することで運賃が安くなる「早割」。旅行なり急でない出張などで利用経験がある方も多いでしょう。町ではルートから出費を試算し、その金額が前払いされる。帰任後、領収書を元に清算し過不足を調整するようになっている。東京までとなるとかなりの出費のため、ありがたい仕組みである。自分が知る安く、また早いルート(早割含む)を設定し申請した。しばらく経ってから承認の連絡があった。お金を受け取り、その後すぐに松江で別研修があり、まだ慣れない船に乗、同じ県内だが移動の都合上、前泊にて参加。大阪で用事があったため、そこからバス・電車を使い大阪まで。2日の滞在ののち隠岐へ戻った。
なかなかバタバタとした週末を過ごし、手帳を見て「今週末は東京だ」と思い返したその時、「あっ」と声が漏れた。承認されるまで支払いは待とうと、何故か思ってしまった結果、支払いを完全に忘れていた。やばい...。すぐ航空会社に電話をした。支払いをしていないがため、予約期限も切れてしまっていると伝えられたが、空席があるとのことで「ではそれとります!」と伝えた。しかし、割引はなく通常料金どころか、少し高めの金額設定分しか空きがなく、2万の割増である。正確に言えば増感である。この2万が経費として出るのか、まだ定かではない。

 

"ロス"

東京での2日間の研修を終え、1泊4050円の格安宿を後にする。向かうは羽田第一ターミナル。J◯L国内線の発着するところである。いつものように、ややこしい東京の電車の乗り継ぎをアプリに任せ、指示通りに電車に乗る。余裕を持って1時間前には空港に着く算段だ。2つ乗り換えを行ったところで、行きと同じ路線であるということを確認し、忍ばせておいた本に手を伸ばす。後は待つばかり。ガタンゴトンと揺られれること、30分。調べていた到着時間に近付いたため、現在地を確認する。

 

ん??

 

再確認し、改めて声にならない声を車内で発する。

 

ほぇェっ!!?

明らかにおかしい。それに気付いた駅は「東中山」。

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お分かりいただけるだろうか。
どうやら空港は空港でも羽田でなく、"成田"に向かう電車だったようだ。なんたる失態!!そして皮肉にも甥の氏名を彷彿とさせる駅名である。

慌てて電車を飛び降り、改札を出、タクシーを拾い、状況を伝え乗り込む。車内でJ◯Lに連絡し、ギリギリになることを伝える。この時点で離陸時間と羽田到着時間が同時刻の"11:30"。
今週からお手伝いすることになった中学生に勉強を教えるボランティアの"隠岐塾"へも、参加できない経緯を簡単に含めてLINEを入れた。そんな中、運転手さんが心優しく癒してくれる。なんせ同乗(情)時間は40分もある。

「余裕を持って出ると、逆によくあることですよねー」

「よく混むお台場あたりさえクリアすればあとはスムーズですよー」

「どこで乗り換えられたんですか?新橋?確かにややこしいですよねー」

経験値も高いようで、余裕をもって受け答えしてくれる。しかしこちらに余裕は全くない。なんせ 到着時間 = 離陸時間 なのだから。

 

最善を尽くしてくださり、離陸予定の4分前に着いた。つまり11:26。ダッシュで空港内に入り、近くの係員に声をかける。が、あっさり「もうダメです」と言う。事前に連絡を入れたこともあり、あっさりの対応に納得いかず、別の人に確認のため問う。もっと無線を使ってやりとりするのかと思っていたので「さっきも確認取らずに断れたんです。なんとかなりませんか!?」と必死さをアピール。迫る。ここでも直接のやりとりはせず、ひたすらパソコンの画面を確認する。「やっぱし時間的にあかんのか...」と調べるフリをしてくれてるであろう、優しいカウンターの方を見つめながら、諦めをつける。いろいろ別の手段は調べてくれてはいるが、この11:30の便を逃すと今日隠岐には帰れない。払い戻しの意向を伝え、手続きの最中、夜行バスの予約をし、もう一泊(バス泊)することを覚悟。行きに濃霧で便を振り替えた詫びとゆうことで、手数料は無しでいい、とお気遣い頂いた。窓口を後にしながら、スマホをホーム画面に切り替え、「あぁ、LINEいっぱいきてるなぁ...」とため息に似た落胆の声が漏れた。
このタクシー代 1万4千円也・・・。

 

"逆転"

赤の丸い数字付きアイコンの処理をしようと、メールを開きメルマガばかりだな、と中身を身もせず開封処理。LINEを開き、"隠岐塾"へ「やはり今日はいけません。」と打とうとしたその時、メンバーからのメッセージに目が張り付いた。

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...まじ?え?これ天の声?
気づいた時刻11:50。出発まで残り40分。ここはJ◯L国内線の第一ターミナル。A◯A国内線は第二ターミナル。近くの係員に「A◯Aに、行きたいんです!」と質問をぶつけ、「あそこから下に降りて外のバス乗り場へ行ってください。」と丁寧な説明が返ってくる。走る。とにかく走る。なんとかバスに乗り込み、飛行機の予約をスマホで取る。この時点で12:01。予約は出来た。兆しが見えた。

バスが第二ターミナルに到着。最寄りの保安検査場に並ぶ。こういう時に限って、おば様の団体が前に並び、諸々手間取っている。ライターを1個を没収されるも何とか通過し、時計を見る。12:10を回っている。もう搭乗手続きが始まっているはず。目前の搭乗口は62番、チケットに記載の搭乗口は47番。まぁ保安検査場も急げとは言わなかったし間に合うだろうと足を運んでいたが、何だかソワソワし出し、また走る。とにかく走る。走る走る走る。しかし、搭乗口間は決して近いものでなく、62→47番はとてつもなく遠い。宿泊荷物片手に何分走っただろうか。遠くこの建物の最も端っこに『47,48はこちら→』が目に入った‼︎

が、...ん?

何かこれまでのと違う。近付き、角を折れる。何故かエスカレーターが下に伸びていた。体力も思考も限界を迎え、とにかく駆け下りる。只今の時刻12:18。何とここから、さらにバスらしい。3名がそのバスに乗り込んだ。1分ほどの乗車後、47,48ターミナルビルに到着。前にいた女性が2階へのエスカレーターにゆっくり乗り込むのを見て、やっとひと安心。登り終えると「米子行き残り3名です!お急ぎください!」とアナウンスが。またも走る。Walletに登録していたので、スムーズに搭乗出来たものの、危険極まりない逆転劇。

なんとか米子空港着。空港から七類港までの連絡バスまでは1時間半以上の待ち時間があった。船の出航に合わせているのだろう。もう失敗は御免と、総合案内所に「15:25の七類港行きに乗れば16:20のレインボー(高速船)に乗れるんですよね?」と確認。我ながら堅実な働きだ。すると「...そうなんですが、今日はレインボーが欠航と朝の時点でFaxがきておりまして...」

(°▽°)

もし存在するなら"トラブルメーカー"に転職を考える。もはや思考は停止し、冷静な判断は出来やしない。

 

しかし踏ん張った。「いや、待て。」と考える。
ついさっき、電話でこのレインボーを予約したではないか。その旨を告げると確認してくださった。
通常運行しています、とのことでした。申し訳ないです。」
「よかったぁぁああぁ」疲れ果て、落胆のポーズで発する。

待ち時間にこのブログの下書きを書く。誰でもどうぞピアノで、かの有名な「美少女戦士」の曲を弾くおばあちゃんに微笑み、鬼太郎の前で写真を撮る若い女性達に釘付けになり、そろそろだなと、バス1番乗り場を横目に近くのベンチに腰掛け、続きを書く。ふと時計を見る。

15:25...

え゛っ!!!!

なに!?バス見逃した!!!慌てて案内所に駆け込み「七類行きのバス来ましたか!!」もはや問いではなく、叫ぶ。「ごめんなさい。そこは管轄外なんです。でも遅れることはあっても、早く行くことはないので、出ておいた方がいいです!」そう言われ、またも走る。
誰もいないが冷静を装い待つ。
15:28。バス到着。音も立てず何事なかったようにトビラは開いた。

 

その後はスムーズに進み、汽船場から空港まで教員が送ってくれた。ありがたい。

 

改めて振り返っても、1日で起こったとは思えないこの経験が、今後活きることを期待したい。割増(感の)2万円と1万4千円タクシーと乗りもしなかった夜行バスキャンセル料3千円を授業料に。