けんと剣。
今回は、隠岐の宣伝から入ってみます。
大阪時代、漁師とのつながりが皆無だったボクは、隠岐に来て漁師がすごく儲かる職だということを知りました。しかしその知識は誤っていたようです。
一般的に漁師は、すごく大変な割にそんなに儲からないようです。
正しくは「"隠岐の漁師"はすごく儲かる」です。
漁場が桁違いに豊かだからですね。少しずつそんな情報もお伝えしていきたいと思っています。
さて突然ですが、
「タキシード着てさ、付け髭つけてさ、投げたみかんをナイフでキャッチするって面白くない?」
これ誰の言葉かわかりますか?
若い年代の方でも一度は目にしたことあるだろうコレを作った人です。
・
・
・
そう、今は亡き志村けんさんです。
ボクがまだ子どものころは、加トちゃんとケンちゃんがたくさんテレビに出ていて、おじさん2人が繰り広げるしょうもないコントに笑い転げていました。
ヒゲダンスを加藤茶さんに提案したときの言葉が、冒頭の言葉だそうです。
この話を知ったとき、よく実現したなと思いました。
なぜなら、
全然面白そうじゃないから。
でも、全国民を魅了するぐらいの伝説のコントになりました。
そして何度かボクのバイブルとして紹介してきた「座右の寓話」を思い出したのです。
『像と鎖』というタイトルの話です。
象使いが象に最初に仕込むのは、逃げ出そうという気持ちを起こさせないことだ。
象がまだ赤ん坊のとき、その太い足に太い丸太を鎖でつないでおく。そうすると、逃げようとしても丸太が足かせになり、逃げられない。あきらめるようにしておくのだ。
次第に象はこのとらわれの状態に慣れてしまい、逃げることをあきらめるようになる。
大人になって巨大な体と強い力の持ち主になっても、足に鎖を巻いておきさえすれば、象は決して逃げ出そうとしない。たとえ、鎖の先に小さな小枝が結んであるだけでも。
この話に出会ったとき、
「なるほど。調教とはこういうことか。"教育をすること"と"調教をすること"。その違いは一体なんだろう。」
そう思った記憶があります。
でもこの本の面白さは、そのあとに書かれる解説にあります。
細かなことは書けませんが、キーワードだけ紹介します。それは、
「行動しないリスク」
です。
※ 気になる方は、ぜひ図書館や本屋さんで手にとって読んでみてください。
「タキシード着てさ、付け髭つけてさ、投げたみかんをナイフでキャッチするって面白くない?」
これを聞いて、
①「そんなもんおもろないし、お客さんなんて誰も喜ばんわ。」
と失敗を恐れ、自分の想像の範囲内で行動範囲を決める。
それも一つの選択です。
②「まぁ、けんの言うことだしやってみるか。」
とやってみて、お客さんの反応を確認してから決める。
これも一つの選択です。
本の中では、「私たちは行動しないリスクから目を背けがちだ」と解説されています。
自分の周りの人が、何かやってみたいと言ったとき、
「行動しないリスク」を取らせるか、「行動するリスク」を取らせるか。
その人が「何かやってみたい」と教えてくれたのは、きっとあなたを信用しているからです。少しでも応援してくれると思ったから、勇気を出して伝えてくれたんだと思います。
勇気を出し合える関係がもっと増えて、応援してくれる人がもっと増えれば、みんなが幸せに近づけるんじゃないかなと思います。
そんな加トちゃんケンちゃんにバッチリ影響を受けたボクは、2017年に真似事をしています。
ちなみに顔が黒いのは、この前にラッツアンドスター「め組のひと」を提供したからで、サンタの帽子をかぶってるのは、忘年会だからです。
小さな忘年会でボクをヒーローにしてくれた志村けんさん。
大変遅れましたが、最後の最後まで国民に優しさを与えてくれた気がします。
こんな場で失礼ではございますが、ご冥福をお祈りします。